奈良、京都比較


連休の行楽地はどこも賑わいますがやはり、古都の奈良も京都も活気に満ち溢れます。

さて奈良で生まれ、学生時代、京都で過ごしたというややバイアスのある観点(笑)から奈良、京都を比較してみると。

「奈良は古く、京都は新しい」でしょうか。

京都にはハイカラさを尊ぶ気風がありハイテク企業も多いのですが奈良はとことん古いものにこだわっています。

京都はしかも応仁の乱の惨禍で、室町以前の寺院などで残っているところは稀。

現在の京都の街並みや寺内町などの都市形態は、碁盤の目の古代平安京を基礎に豊臣政権の時代に設計されたものなのです。

奈良も戦国末期には鎌倉時代大仏殿が焼失してしまいましたが、中心部のランドマーク的建築である興福寺五重塔は室町時代、東大寺南大門は鎌倉時代。

東大寺の境内にある正倉院、法華堂、転害門のほか、西ノ京の薬師寺、唐招提寺や法隆寺、新薬師寺などは奈良時代前後。

古代の官寺を中心にスケールのある大寺(つまり国営)が比較的残っている奈良はやはり歴史の面では古いと云えましょう。

京都にも東寺というりっぱな官寺がありますが、主要伽藍は残念ながら室町~戦国期に焼失しており、金堂は豊臣が、五重塔は徳川が復興したもので古くはありません。

京都の新しさはハイカラといいますか時代の先を唯我独尊で捉える力があるのかもしれません。

ビデオゲーム業界の老舗であり王者でもある任天堂を見ているとそんな感じがします。

食の方でも古くからの精進料理や懐石料理が洗練化されてきている一方、大阪や神戸に勝るとも劣らない洋食の蓄積も京都らしさです。

その点、そもそも飲食店が少なく、食については保守的な奈良はやはり古いと云えましょう。

奈良では最近でこそお洒落なフランス料理やイタリア料理店もやっと出現し始めてきましたが。。。

京都では新旧の対照を面白がったりする気風ですが奈良の価値観ではとことん古い方が良い、というのが根底にあるかもしれません。

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