弘法大師とヤマイヌ







甲斐犬は典型的な「ヤマイヌ」です。

イヌと日本人の歴史は古く、縄文遺跡にはイヌを人間と同様に丁寧に埋葬した跡が残っており、太古の昔から良きパートナーだったようです。

さて歴史上最も有名なニッポンの「ヤマイヌ」は、「高野大師行状図絵」に描かれている黒いイヌでしょうか。
空海と狩場明神を高野山に案内した黒い「ヤマイヌ」です。(写真上)
当時は柴犬とか紀州犬とか甲斐犬という呼称はなく単に「ヤマイヌ」だったようですが、現在のニッポンの犬の基準からすると「黒い毛色」、「すらっとした脚」、「体全体の大きさ」、「立った耳の形」などまるで今の甲斐犬そっくりです。
たまたま甲斐地方の中巨摩郡芦安、白根山中、奈良田などの山間部に居た犬だけが太古の昔からの血統を維持できたのか。。。

そんな「ヤマイヌ」の末裔である甲斐犬ですがうちでは海イヌ化して海岸で睥睨し、海で戯れる日々です。
家庭犬となり、平地や或いは家の中、又は海辺で育っている「ヤマイヌ」。
奥の院の弘法大師も笑っておられるでしょうか。。。

ちなみに「ヤマイヌ」=オオカミとの見方もあるようで甲斐犬の血統登録には○○狼とつける場合が多いようです。

コメント

匿名 さんのコメント…
こんにちは。南都さんのご経験と学識あふれたブログですね。いつも感心して拝見しています。吉之介くんはいつも凛々しいですね。

私の実家の九度山町にはあちこち(商店の店先など)に弘法大師とワンちゃんの(漫画の)看板が立っていて「ワンでも聞いてね」と書いてあります。

最初は意味が分からなかったのですが、どうやら、大師を高野山に案内した山犬に引っかけて「観光客の方には道案内しますよ」という表示のようです。漫画の犬は愛玩犬のようで、迫力がないのですが。
あをによしこうじ さんの投稿…
こんばんわ。
Tetsudaさんブログの密度、頻度にはとても追いつけませんが。。。
東京で発行されている「メトロ」という営団地下鉄のフリーペーパーに「高野山と甲斐犬」の写真が掲載されていました。
写真家の方が思わず拝んでしまったとか。
甲斐犬にとって高野山は最高の棲み家だと思います^^。