奈良の残したい景観

東大寺伽藍の眺望は二月堂からが素晴らしいですがこの若草山からの俯瞰景色も是非、将来に残していきたい
景観です。往時は高さ100m超の東西七重塔が聳え立っていたのですが東大寺にあともうひとつ必要な堂塔があるとすればやはり七重大塔でしょうか。



若草山から奈良市内全体を眺望。京都と異なり比較的開発を抑制できていることから落ち着いて眺めることができます。日本は都市のほとんどが景観無視、軽視でコンクリジャングル化していますが、奈良については無粋なコンクリ建築が林立してしまわないよう高さ規制、外観・意匠指導を強化してくべきでしょう。景観があってからこその古都奈良ですから。



若草山から高畑方面の景色。春日原始林が一面に広がっています。ついつい東大寺や興福寺方面に目が奪われがちですがこちらの眺望は斜面景観が独特で往時は新薬師寺の堂塔が素晴らしかったと思われます。



東大寺大仏殿と興福寺五重塔を見渡す俯瞰で奈良の最高の景色のひとつです。



興福寺五重塔(右端)と桃山風殿館造りの奈良ホテル本館(左端)および奈良国立博物館(中央よりやや右)の俯瞰もこの若草山からは抜群です。フジテレビの「鹿男あをによし」では若草山三合目からの景色で大和平野全体の景観が素晴らしかったですが、この若草山一合目からの眺望で旧奈良市内、つまり南都伽藍をしっかり堪能できます。



平城京から東の大和青垣を仰ぎ見る眺望も是非残したい景観のひとつです。若草山と大仏殿、それに春日山原始林が重要なアクセントです。



平城京からの眺望では朝焼けの輝きいっぱいの景色も神々しくなかなかです。



これは桜のシーズンに撮った新薬師寺界隈。日本最古の国道とされる山之辺の道の北端はこの新薬師寺とのこと。大和平野には、南北に走る上・中・下ッ道の官道がありましたが山之辺の道は上ッ道のさらに東にあって三輪山の裾を縫ってまっすぐ南の飛鳥と北の平城京を結んでいます。夜は鹿が闊歩しているので車での往行は避けたいところです。



このさりげない風景は高畑清水町。鹿でなく猫ですが似合っています。新薬師寺から西に5分程度で、春日原始林の麓に位置し、水脈が豊かで清水が湧くことから酒造屋が室町期以降盛んなエリアだったとか。

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