春日奥山雪景色

冬の奈良は雪景色が最高です。
青垣が雪で白化粧して絶妙の立体絵になるからです。




さて今回、そんな素晴らしい景色を東京国立博物館で開催中の「皇室の名宝 日本美の華」展第二期(11/12-29)で堪能できました。

即位20周年ということで至極の宝ものが展示されており、今回の第二期のテーマは「正倉院宝物と書・絵巻」。
http://www.bihana.jp/

普通の展覧会なら目玉作品となるようなものが数多く展示されており、その内のひとつが、春日大社に奉納され、明治期に皇室に献上された「春日権現記絵」。
http://mahoroba.lib.nara-wu.ac.jp/y04/fram1.html
奈良の冬景色絵で感動したのはまさにこの「春日権現記絵」の一編です。
物語絵ですが景色のところ(上記)などは、鎌倉時代の東山魁夷、あるいは横山大観ではないかとさえ思える作風です。








鹿の描写が秀逸でどの場面にも鹿がしっかり描写されています。
第一巻の春日大社に御参りする場面、行列場面、僧形の騎馬隊が闊歩する場面と様々な場面で。
中には鹿ならではの愛嬌たっぷりのシーンも(ご想像の通りです。)。
この他の注目作品では法隆寺から皇室に奉納されたあの一萬円札で懐かしい「聖徳太子像」。
また、正倉院宝物からは「十二稜鏡黄金瑠璃鈿背(じゅうにりょうきょうおうごんるりでんはい)」。


詳しい解説はこちらで。
奈良国立博物館の正倉院展でしか見れない宝物を東京でも堪能できるとはそう滅多にないことです。
やはりご即位20年もさることながら2010年の平城遷都1300年を関係者が意識し始めているのかもしれません。
そういえば東京国立博物館でブームとなった興福寺阿修羅像。
九州での展覧を終え、奈良に戻りましたがNHKの報道では拝観に200分待ちの状況もあったとか。
tetsudaさんによると時間帯を上手く選ぶとほとんど待ち時間はないようですがそれでも堂内はかなりの人出だそうです。
たんなるブームというより、阿修羅を拝みたい気持ちの人々が増えてきているということでしょうか。
奈良が癒しの都となればなによりです。






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