近鉄奈良駅ビルのなら奈良館廃止

Tetsudaさんブログによるとなら奈良館が廃止になるとのこと。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/3bfceb7a0f36912173b37802e767dc62
内部に置かれているレプリカはまさに素晴らしいの一語に尽きます。


古建築の骨格や創建当初の姿が分かるものなどかなりの技術と費用が必要なものばかりです。

ただ問題はやはりあの近鉄奈良ビルというハコだったと思います。

当該ビルは外観は古都奈良の玄関にまったく不適格な形態で今も奈良の玄関景観を損なっているのではと個人的には思っています。

観光客は芸術品、美術品とも云えるせっかくのコンテンツ(中身)であってもあのビルの上層階にわざわざ行ってみて見ようという気分にはならないでしょう。

時間が制約された旅行でただでさえ効率的に回るのには工夫が必要な奈良でいくら便利がいい所であったとしても興福寺や東大寺がある中わざわざ時間を割いて中途半端なコンクリビルに行く気になる方は少数派なのだと思います。

恐らく一部のコアな時間的余裕のある奈良愛好家だけでしょう。

賃貸ビルとして百楽が繁盛し、サイゼリヤが流行っているあの商業ビルにはやはりミスマッチなのでしょう。

逆にこのような公共的施設を入れないとあんな高い建造物を私企業として建設されることは許されなかったのではないかとさえ思います。

理想論で云えば、国立博物館や写真美術館などディープに奈良を掘り下げたい奈良探索派がじっくり見れる相応しい場所か或いは奈良観光プロモーションの為にJR東海の東京駅施設に引き取ってもらい奈良の広告塔になってもらうか、もっと効果的な活用であって欲しいと思います。

ともかくこれほど中身と箱のミスマッチが生じているものはなかろうかと思います。

建物の寿命はコンクリなら40-50年が限界です。

外観はリニューアルした当該ビルですがそれでも古都奈良の玄関としては極めて見苦しく何れは建て直しの際は低層化と玄関口に相応しい外観での仕切り直しを期待したいものです。
 
奈良公園、寺社伽藍、春日奥山と見事な景観、眺望が維持されている奈良。
せっかくこのような良好な景観が維持されている奈良なのですからせめて駅の玄関口の形態については観光都市としての使命を意識したものであるべきだとう思います。
舞浜駅とディズニーランドの景観の一体性などまさに計画的、意図的です。
本来の観光デスティテーションでは交通機関の駅からがスタートだということを再認識する必要があります。
奈良、京都のみならず日本の観光地はこの点、都市計画の基本としてしっかり認識すべきでしょう。
そういう意味では現在進行中の東京駅のリノベーション、まさに理想的な展開だと思います。
クラシックな創建当時の東京駅の威容の復元は東京の玄関口の品格に相応しい事業かと。

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