大同に見た奈良西大寺の幻

幻の奈良西大寺八角塔はNHKが推定映像復元しました。



 その八角塔に一番近いモデルが中国の大同に残っている山西省仏宮寺応県木塔です。
映像復元の際にも参考にされたようです・
わざわざ木塔というのは中国で現存している塔の大部分がレンガ造り、或いは石造であって木造でなくこのような木造建造物として残っているのは稀有なことだからです。
 この応県木塔は1056年から建造開始で1195年に完成したとのこと。
随分時間をかけたものです。
日本で云えば平安末期でこの時代の建造物が中国で残っているのは奇跡的です。




 この角度からでは微妙ですが実は斜塔です。技術継承が失われ、本格的にメンテすることがなかったからでしょうか。
倒壊リスクはまだ無いとは思いますが日本に残っている技術で何とかなるなら修復してもらいたいものです。

日本では飛鳥、奈良時代以降、木造の塔建築は寺院建築として残り、室町時代には奈良興福寺五重塔を造り、江戸時代には京都東寺五重塔や日光にも建立しています。
なぜ中国で木造塔が主流建築として残らなかったのか、大いなる不思議です。
他方、中国では宗教建築でない楼閣建築が高層建築として主流になった観がありますが。
こちらは奈良時代のフォーマットをそのまま使い続けた興福寺五重塔。
同じ寺院建築塔でも日本と中国とでは随分スタイルが違うものです。
日本の塔は屋根瓦を大量に使って地震への対応としたのでしょうか。
日中の塔はいずれも高層化を狙って発展しましたがフォーマットは随分異なる印象です。

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