「平清盛」の見所は?

昨年は脚本がさんざん叩かれた「江」ですが映像的には十分堪能しました。
さすがNHKです。
「天地人」の使い回しはもちろん良いと思いましたが今回新たに追加された大坂城の遠景描写などまるで水墨画のような深々とした雰囲気が好ましいです。

「天地人」から何度も使われているこちらの絵は西の丸の天守も描かれていて見応えたっぷりです。
大坂城だけでなく江戸城と京都聚楽第も遠景バージョンが加わっています。
こうして比べると層塔型の江戸城と望楼型の大坂城は構造面もそうですが高層建築についての思想そのものが大きく違うように感じられます。

天守自体も規模重視の江戸城に対し、装飾重視の大坂城という比較が可能でしょう。
千利休の美学が時代の雰囲気であった豊臣時代は金との相対で黒が美の中心であったのに対し、江戸絶対政権では、黒の否定でもある白でなくてはいけなかったでしょうか。

前回、「天地人」で描かれていた飛雲閣が今回の映像では確認できないのは残念でした。 


さて、今回の「平清盛」ではどんな工夫のある映像になるのか、楽しみにしたいものです。
数奇屋建築ながら寝殿造りの伝統を残す飛雲閣を眺めていると、平安末期の寝殿造り建築美を堪能できるかなという期待は持ってしまいます。


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