設計家の系譜





城郭復元の権威といえば、古くは熊本城、和歌山城などの天守再建を手がけ、京都伏見桃山城の推定復元を行われた東工大教授の故藤岡通夫先生でしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%B2%A1%E9%80%9A%E5%A4%AB
今治城、長浜城など復元天守が難しいケースでもしっかりした作品に。
伏見桃山城は望楼型天守復元設計としては最高峰かもしれません。石落は別として、天守閣の逓減、入母屋バランス、望楼スタイルなど完璧です。

また天正期の安土城や大坂城天守復元で後世に大きな足跡を残されたのは建築家の故宮上茂隆先生でした。
木造復元の掛川城、大洲城などの設計にも取り組まれました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E4%B8%8A%E8%8C%82%E9%9A%86
未見ですが伊勢戦国村の安土城は宮上先生設計のようですし、東映映画「火天の城」原作も宮上先生案に依っていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%A4%A9%E3%81%AE%E5%9F%8E

そして今、城郭復元で最も脚光を浴びておられるのが広島大学教授の三浦正幸先生。
文化財学三浦研究室では門下生と一緒に良い仕事をされています。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/miurayu/castle.html
ウッディジョーの模型シリーズにある安土城は三浦先生案です。
http://www.woodyjoe.com/catalog/kenchiku.html#18

安土城にしろ大坂城にしろどのような構造、外観であったかはいまだに論争が続き、興味が尽きません。
確かなのは戦後60年、城郭建築研究建築は著しく、コンクリ再建一辺倒だった昭和と違い、今ではかなり考証のしっかりした木造復元が可能になってきていること。

観光立国日本に必要なのはそこにしかないしっかりした観光財でしょう。
そういう意味では考証・検証をしっかり踏まえた木造での各地の城郭復元はこれからも歓迎したいところです。

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