奈良高畑の雰囲気


 旧柳生街道の上高畑から奈良市街を望む。ロンドン五輪のホットなこの時期、雪景色でクールに。
 高畑大道周辺。
 高畑の中心、新薬師寺の現在の本堂。十二神将です。
 新薬師寺に至る路。観光客ルートになっています。
 新薬師寺本堂遠望。町角から天平の古建築を眺めることができます。
 新薬師寺周辺の土塀。
 2008年に発見された新薬師寺の金堂跡地説明掲示板。
 見事な鯱をかかげた門。多聞山城からでも移築したのでしょうか。。。
 こちらも重厚な門。大乗院や一乗院門ほど大きくはありませんがこのような門が奈良公園と高畑が重複するエリアのアクセントになっています。
 こちらは高畑町から白豪寺に至る途中のお寺の門。まるで城塞の櫓のようです。
 この土塀が続く風情が高畑ならではの景観でしょうか。
 公的な奈良公園でなく奈良教育大の敷地を縄張りにしているシカ
実質隣接地ですし奈良公園のようなものかもしれません
 民家に囲まれた新薬師寺
1960年代、昭和40年代の高畑景観
遠くに見えるのが高円山

さて高畑について再び。
亀井勝一郎の「大和古寺風物誌」の中にある「高畑の道」の高畑。

こういう記述でした。多少景色は変化しましたがやはり高畑は高畑なのでしょう。

「新薬師寺を訪れた人は、途中の高畑の道に一度は必ず心ひかれるにちがいない。
はじめて通った日の印象は、いまなお私の心に一幅の絵のごとく止っている。
寺までのわずか二丁たらずの距離であるが、このあたりは春日山麓の高燥地帯で、山奥へ通ずるそのゆるやかな登り道は、両側の民家もしずかに古さび、崩れた築地に蔦葛のからみついている荒廃の様が一種の情趣を添えている。
古都の余香がほのかに漂っている感じであった。
私は平原はるかにそびゆる塔をめがけて古寺へまいるのを好むが、高畑のものさびた道筋も捨て難いと思っていた。
最初に奈良を訪れたときなどは、わけもなく感動してこの道を徘徊したものだ。
古都に辿りついたという思いは、ここへ来て深まった。この第一印象はずっと最近までつづいていたのである。」
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新薬師寺や鏡神社、志賀直哉宅がある奈良高畑は寺社古都奈良にあって少し雰囲気が違います。
元興寺界隈に出来上がった奈良町や東大寺郷だったきたまちと何が違うのか。。。
アクセントとして門や土塀の存在があって違うのかもしれません。
もともと高畑とは「高貴な寺(新薬師寺)があったところが畑になった」ので高畑(たかばたけ)。

今では自然と歴史がミックスした町の佇まいになっています。
広大だった新薬師寺の旧境内の大部分が畑になり、そしてその大部分が春日大社の神官の屋敷や民家、或いは大学(奈良教育大)になり独特の風情になっているのが面白いとも言えるし趣があります。
意外に観光客のトラフィックが多いのもそのせいかもしれません。
奈良の奥座敷といったところでしょうか。

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