本来城郭なら天守閣があるところですがこの陣屋は随分、控えめな高さの小さな楼閣が建物の中心に設置されています。
江戸時代にありがちな威圧感いっぱいの白漆喰の塔とはまるで趣の異なる建物です。
どちらかと云えば西本願寺の聚楽第遺構と伝えられる飛雲閣に近い雰囲気です。
殿館風の城郭で、一部、寝殿造りの造作があり繊細な佇まい。
天守閣自体は、一層目が8間×8間と中堅規模ながら、最上階は5間×3間と大きく、迫力があります。
逓減が少ない天守閣は江戸城や名古屋城のようにバランスがいまひとつのケースが多いですがこの高山城はアンバランスな美が具現されています。
しかも望楼型天守で古式な形態であるのが好ましく、この天守が保存されていればさぞかし第一級の国宝であったろうにと惜しまれます。
黒色の下見板張りや回縁(まわりえん)と呼ばれる縁側(えんがわ)に高欄が付いている形式がいかにも古風で、雅な外観です。
こんな華奢な城郭であったからこそ、高山藩は江戸政権から睨まれ、取り潰しになったのかもしれません。
こんな華奢な城郭であったからこそ、高山藩は江戸政権から睨まれ、取り潰しになったのかもしれません。
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