信州の八角塔

 
やっとのことで信州別所の安楽寺八角塔を見学することができました。
安楽寺は行基が開基とも云われる古刹です。
この八角塔は今では国内で唯一の遺構であり、もちろん国宝。
 
 
一見四層ですが構造上は三階とされています。高欄が無く、すっきりした表情になっています。
 


下から仰ぎ見ると窓が見えません。それに一階には扉が見当たらないかと。
つまり原始的なパゴダの系統を引き継いだ古風な建築かと。
 こちらは北京の頤和園(いわえん)の八角塔。
高さ41m、4層3階の八角形の楼閣。
閣内は8本の大柱が頂点までまっすぐ貫いていて、上層が「式延風教」、中層が「気象昭回」、下層が「雲外天香」。仏塔というより楼閣で、展望機能兼仏殿といったところでしょうか。
こちらは仏宮寺の八角塔。
圧巻の重厚さです。
八角塔としては日本では未完に終わった奈良西大寺塔の他に法勝寺八角塔、相国寺八角塔も東大寺七重塔に匹敵する高層大建築でしたが残念ながら消失してしまっています。
 
奈良、京都には国宝建造物は多数残っていますがこの信州も古建築の宝庫でしょうか。
善光寺はもちろん松本城、上田城、前山寺、諏訪大社、小諸城、北向観音など見所多数です。
 
信州の鎌倉と呼ばれる別所はまさに長野の奥座敷でしょうか。
東京からクルマでわずか3-4時間前後で来れるところですがまだ認知度が低くお陰で落ち着いた雰囲気が残っているところが好ましい処です。

気候の厳しさのみならず地震も多くまた戦国騒乱の地でもあった信州で八角塔の古建築が残っているのはまさに奇跡的。
安楽寺の奇跡、奇特に感謝するしかりません。
 

コメント