NHK大河ドラマ「天地人」がいよいよ完結。
先週は「大坂城炎上」でほぼ実質フィナーレ。
戦いの勝者より後世に何かを残せた者が本当の勝者、というメッセージでした。
人の心に結局残ったのは、
直江兼続の義の精神、
豊臣家滅亡への哀れの気持ちと勇者、
真田幸村への称賛、
そしてタヌキじじい・嫌われ者として評価が決定的になった家康への嫌悪でしょうか。(それにしても松方弘樹演じる憎たらしい家康はコミカル&嫌味たっぷりで最高の演技でした。)
家康は、せめて8歳の国松を殺さずに高野山にでも閉じ込めれば良かったものを無理をしてしまったものです。(太閤秀吉の墓を徹底的に破壊したのも日本人の感覚からはかなりずれています。)
さて、「皇室の名宝」展第一期では、この秀吉ゆかりとされる唐獅子図屏風(伝 狩野永徳作)がまさに目玉作品でした。
豊臣秀吉から毛利家に贈呈されたものが皇室に献上されたと。(毛利家では毎年、徳川幕府への復讐を誓う儀式を年頭に行っていたとか。)
この迫力満点の作品は、まさに聚楽第の壁画ではないか、との推定もされています。
狩野永徳は1590年に亡くなっていますが、信長、秀吉とパトロンとして仕えた主の建造物がほとんど焼失しており、この作品が残っているのは奇跡的です。
教科書でお馴染みの絵ですがこれも又、失われた桃山文化、豊臣時代への郷愁があるのかもしれません。
今回の「天地人」ではこの桃山期の象徴的建造物についてNHKが意欲的にビジュアル表現に取り組んでおり、ストーリーとは別に楽しめることができました。
聚楽第全景。西本願寺の飛雲閣を上手く組み合わせて絶妙の表現です。京都との景観マッチも最高です。
二つの天守閣が聳える大坂城。左の天守は、家康が秀吉亡き後、大坂城に座り込んで建てさせたもので、今の西之丸に位置していたようです。当時としてはクーデターに近い事象で異常事態ですが絵としてみてみるとなかなか見ごたえりっぱな威容です。
こちらは石田三成の佐和山城。三成に過ぎたるものに島左近(奈良出身の武将)と佐和山城、と云われていたぐらいの名城、堅城だったようです。
関ヶ原合戦の後、東軍兵士は栄華を極めた豊臣筆頭重臣三成の城は宝物だらけだろうと略奪に及ぼうと踏み込んだところ、あまりにも質素な造りで驚いたようです。
三成という人物は現代の政治家とは大違いで自らの懐を豊かにしようという発想はまるでなかったようです。
こちらは会津若松城。当時は上杉120万石と歴史の中では会津若松の最盛期だったかもしれません。関ヶ原で西軍が負けなれば今頃は金沢のように百万石の城下町都市になっていたかもしれません。江戸期になって改築されてしまいますが五層とも七層とも云われるりっぱな天守閣だったようです。
これはフィナーレとなった大坂城炎上のシーン。
それにしても兼続の子役の加藤君、なかなかの役者でした。将来が楽しみです。
「こんな素晴らしい芝居に出れて嬉しかった!」でしょうか。。。
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