なかなか上手い具合に雰囲気が表現されています。個人的には山形の銀山温泉や、隔絶された天川の洞川温泉なども宮崎監督は訪れていないかもしれませんが結果的にはモデルのように思えます。
さて中国でもよく似た楼閣建築に遭遇します。
寺院建築は随分、日本と中国とでは様式がかけ離れていますが楼閣建築として見ると古代・中世の古建築描写やその復元版を見るとディテイルが似ているのではと感じます。
京都の三大名楼閣といえば、金閣、銀閣、飛雲閣ですが中国にも似たように四大名楼というのがあってそれは、
黄鶴閣(武漢)
勝王閣(南昌)
岳陽閣(岳陽)
鶴雀閣(永済)
これに未完だった南京の閲江閣を加えれば五名楼となるでしょうか。
黄鶴楼、20世紀初頭、何度かの再建で屋根の勾配が古代様式から随分違ってきているように見受けられます。
Xia Yong画、黄鶴閣、武漢
30回近く復元されて現在に至る黄鶴楼、木造建築ではないのが残念
黄鶴楼正面
岳陽楼、岳陽市、湖南省 Zhengwen Yuenyang Tower、An Zhengwen安正分 画
Yia Yong画、岳陽楼
勝王楼Tengwang Tower、南昌、江西省
勝王楼
「千と千尋」の油屋を彷彿させる勝王楼ひながた
閲江楼Yuejiang lou 、南京
決して完成することのなかった楼閣で書画としては残っていませんがついに20世紀になってオリジナルプラン通り完成したとのこと。http://www.yuejianglou.com/channel.asp?id=10
王之渙(唐代の詩人)は「鸛鵲楼に登る」と題し千古に名を残す有名な詩を書いたそうです。
その舞台となったのが鶴雀楼(山西省永済市)。
白日依山尽。 白日山に依って尽き。
黄河入海流。 黄河海に入って流れる。
欲窮千里目。 千里の目を窮めんと欲し。
更上一層楼。 更に上る一層楼。
http://www.letsgo-shanxi.com/index.php?page_id=191&parent_page_id=91&page_title=%E2%91%A1%E9%B8%9B%E9%B5%B2%E6%A5%BC%EF%BC%88%E9%B9%B3%E9%9B%80%E6%A5%BC%EF%BC%89
いずれも何度も焼失してしまい、木造としては残っていませんがそれでもその土地の名所であり、歴史に名を残す名建築であることから復元が繰り返されています。
いずれもいつかは訪れてみたい旧蹟です。
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